【不登校の兆しと心の病気の関係は?】うつ病・PTSDの急性期へ④

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ハチコの「しくじり」ポイント:子どもの心の病気を他人事と思うなかれ

「うつ病」「PTSD」など、ストレスが引き起こす精神疾患のメカニズムについて改めて学んでみると、「(軽微な)ストレス反応」→「身体症状」「精神症状」→「社会活動性の低下」→「病気として治療が必要な段階」といった流れで、心の病気が深刻化していくことがわかります。

つまり、学校への行き渋りや不登校といった「社会活動性の低下」が見られるということは、精神疾患がかなり進行していることを示しているわけです。

子どもの不登校には、一人一人にさまざまな原因や事情がありますが、その背景に心の病気が隠れていることも多くあります
不登校のことについて、多少なりとも知識があったのであれば、この日が来ることは容易に想像ができていたはずなのです。

往生際の悪い毒親の心理

1回目のXデーからの息子は、無気力感、勉強に対する拒否反応、癇癪(かんしゃく)などが増えてはいたものの、なんとか学校や塾にも行きながら従来の日常生活を送っていました。

1日の中には、機嫌よく過ごせる時やなんとか少量ながらも勉強がこなせる時もあり、そのたびに私は「回復の兆しかもしれない」と期待してしまったり、「やっぱりダメだ」と落胆したりを繰り返す毎日。

4歳の時から続けてきたピアノもやめることにして、これまで必須でやってきた朝勉強もやめさせたりする対応は、毒親だった私にとってはすごく大きな決断です。

さらに、息子が言われたことをやらずにサボっていたり、目の前で挑発的な行為をしてきても、注意せずに何も言わないようにして見守ったり、怒って言い返したりしないことも初めての経験でしたから、短期間でなにかしらの効果があらわれるはずだと思っていました。

ハチコ

少し休ませたら、ケロリと元通りの息子に戻るかもしれない…

息子が壊れはじめているのを目の当たりにしているのに、こんな期待を心のどこかに持ち続けていた私でしたが、とうとう「もう簡単に戻ることなどできない」のだと覚悟をしたのが、「息子が壊れた日」として忘れられない2回目のXデーです。

登校拒否と入浴拒否:2回目のXデーにあったこと

2回目のXデーは7月14日。
1回目のXデーから2週間あまりが経過した、週明けの月曜日のことです。

2014年7月14日(月曜日)

いよいよ覚悟の時。

学校に行く前に○○が自分でもどうにも止められないような拒絶反応を起こしてしまう。
イライラして、体をゆさぶりながら、「あぁ〜〜〜〜」と声をあげたり、床を叩いたりして、はっきりとは言葉にしなかったけど学校に行くことを完全に拒否していた。
気付かないふりをしてほぼ無理やり行かせてしまったが、とうとう学校に行けなくなる日が近づいてきたのだと思う。
どうしよう。夏休みまで、あと4日持つか。

(中略)

基礎トレをなんとかやり終えた後に「漢字ができない」「お腹が痛い」と言う。
その後は「お風呂にも入りたくない」と癇癪(かんしゃく)を起こして、発狂しながら拒絶。
体を反らせながら嫌がってうなだれている。
勉強以外のことで「どうしてもできない」という症状が起こるのは初めてなのでものすごく不安。
毎日、どんどん新しい症状が出てきて、勉強以外のこともぜんぶ悪化していきそう。

この症状はおさまることはあるのだろうか。
病気になってしまったのだろうか。
完全に病気になったにちがいない。
受験は無理そう。どうしても無理そう。どうしよう。

「子育て日記」は、不安の言葉であふれています。

この先長く続く「行き渋り」「登校渋り」がはじまった日。
そして、お風呂に入ることにさえ拒絶反応が出たことによって、基本的な生活ができなくなってきていることを知り、絶望した日でもあります。

1回目のXデーの時と同様に、背筋が凍るようなやっとの思いで過ごした忘れられない日なのです。

「不登校への理解者」という自負と現実

息子の不調を感じるようになってから、私が1番恐れていたことは、やはり「不登校」です。

私は、子育て情報誌のライターをしていたこともあり、仕事がら不登校の子どもに関する記事を書く機会もありました。

不登校の子どもの症状や、不登校の子どもにどのように接したらいいのかということについては、ひととおり勉強していたつもりです。

また、親しい友人が不登校の支援学級の先生をやっていたことや、息子の仲良しのお子さんが不登校だったこともあり、不登校の子どもたちの話を聞く機会も一般の方より多かったかもしれません。

その中で、親御さんたちの気持ちや苦労も理解し、自分自身のことを「不登校に対する偏見を持っていない人」「不登校に対して寛容かつ理解者だ」と思い込んでいました。

「不登校への恐怖」と「模範的な対応」のギャップ

当然、子どもが「学校に行きたくない」と言ったら、すぐに「休んでいいよ」と言ってあげなくてはいけないという基本中の基本もよ〜く頭でわかっていました。

なのに、いざ自分の子どもが登校への拒否反応を示した時に、私は子育て日記にも書いてあるとおり、息子の「学校に行きたくない」という訴えに気付かないふりをして、無理やり学校に行かせたのです。

でも、自分を擁護するわけじゃないですが、子どもが「学校に行きたくない」と言った瞬間に、「いいよ、休みなさい」とすぐに言える母親はどれぐらいいるのでしょう?

もちろん、実際にお子さんが「学校を休みたい」と言ったら、そのとおりに休ませてあげているお母さんも知っていますが、それでも、そう言えるようになるまでの葛藤や迷い、実際に休ませることのストレスや不安もあるはずです。

普段「子どもが行きたくない時は学校を休ませてください」と言い続けている専門家の方が、実際に自分自身のお子さんが不登校になった時に、本当にすぐに「休みなさい」と言えるのかな?と思うこともあります。

いずれにしても、毒親で、人間的に未熟な私には、とっさに「休みなさい」とは言えるわけもなく、ただただ、不登校になることに恐怖を感じていました。

この日を境に、「不登校にさせないためにどうしたらいいのか?」ということを必死で考えはじめます。
「行き渋り」「登校渋り」の原因も、私自身が原因であることは、まだわかっていなかったのです。

ハチコ

ここまで深刻化させてしまったことを、今あらためて後悔してしまいます。

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