ハチコの逆転子育て術③「子どもを知る!(心と発達)」<考察編>|息子の特性と向き合う

「子供を知る!(心と発達)」の記事に、たくさんの反響をいただきありがとうございます

前回までの内容を加筆して、さらに、検査結果を知ったハチコが考察・実践したことについての記事を追加することにしました!

息子が「うつ病・PTSD」を発症するまでのことはこちら  ↓

「ハチコの逆転子育て術」とは?

毒親であった自分自身の過干渉と教育虐待で、息子が重度のストレス障害によるうつ病とPTSDを発症した小学4年生の夏。
登校しぶり・勉強の拒否反応・癇癪やパニック・無気力状態が続き時には暴力をふるうことも。

このままでは不登校で学校へ行けないどころか、一生ひきこもりになる

そんな先の見えない絶望の中でゼロから始めた「育て直し」によって、息子は元気になりました
息子の心と体の健康を取り戻すためにやってきたことの全てを、ありのままに綴ります!

目次

発達障害ではなくても…|ディスクレンパシーへの不安

WISC-Ⅳ検査で、息子は「処理速度」の指標が他の指標得点と比較してかなり低いことがわかりました。

さらに、息子のように、他の指標得点と大きく差がひらく「ディスクレンパシー」がある場合には、そのまま発達障害の診断要因に直結することも多いそうです。

ただし、前回の記事でも書いたとおり、このWISC-Ⅳ検査だけで発達障害か否かを決めるわけではありません。

息子の場合は

・検査得点が全体的に高めであること

・心理検査などで対人場面に適応的に対処できると判断したこと

・ワーキングメモリーの指標は高いので、注意欠陥があるとは思えないこと


といった理由から、発達障害を確定する診断にはいたりませんでした

一方で、息子には生きていく上での大変さや困りごとがあることは事実であり、家庭生活でも本人がSOSを出しやすい環境を整えるようにというアドバイスがありました。

臨床心理士と医師は、「発達グレー」といった言葉こそ使いませんでしたが、そういうことなのだろうと理解しました。

ハチコ

結果はわかったけれど、これからどうしたらいいの??


検査が終わったあとも、ハチコはこの結果が何を示しているのかについて、とことん調べました。

そして、調べれば調べるほど、やっぱりこの「処理速度の低さ」と「ディスクレンパシー」が、息子の生きづらさにつながっていると確信するようになります。

特に「ディスクレンパシー」については、通常15以上の差があるだけでも問題視されるのに、「処理速度」とその他の指標の差は「30〜50」。

ハチコ

本当に「発達障害」確定じゃなくて良かったの??


臨床心理士や医師の方たちを疑うわけではないですが、実際に、心配になるような情報もたくさんありました。

でも、息子と似ているWISCの結果が出たお子さんや、処理速度の指標が低いお子さんについて書かれている記事や文献などを読んでいるうちにだんだんとわかってきたんです。

同じような結果が出ても、1人1人みんな違うんだということが。

ハチコ

発達障害か否かにこだわってもしかたがない
息子には息子だけの特性がある
検査結果だけではわからないこともたくさんある
息子を理解して、息子に一番合ったサポートをしていこう!!

ハチコは、そう考えるようになりました。

とにかく、検査結果を知ってからは、今まで通り、毒親だったハチコの対応を改めていく育て直しだけではなく、息子の特性を考慮した上で、苦しまずに日常生活や学校生活を送ることを具体的に考えながら、試行錯誤していくことになります。

「処理速度の指標が低い」ってどういうこと?

息子の指標が低かった「処理速度」は、決められたことに対して早く処理ができるかどうかを測る検査で、いわゆるルーチンワークなどの単純作業に対しての得意不得意につながることが多いと言われています。

また、「言語理解」「知覚推理」などの得点が低いケースと比べると、「処理速度」が低いケースは、日常的な生活の中で困難が生じることが多くなる傾向になるそうです。

ただし、WISC-Ⅳ検査の「処理速度」は、視覚運動機能の速度で測るころから、単純に日常生活の行動の速さと比例するわけではありません。

(例えば、「処理速度」の得点が低くても、動作が機敏でテキパキしている人もいます。)

具体的には、

・目や耳から入った情報を正確にスピーディーに処理することが苦手

・書き取り(板書)や課題をやるのに時間がかかっていまう

・集中力が持続しにくい

・注意力が持続しにくい

・考え方に柔軟性がない

といった傾向が見られます。

さらに、息子のように、他の能力との差があることによって作業効率が非常に悪くなり、「要領が悪い」という傾向が顕著になるようです。

息子の場合、処理速度とそのほかの能力の差が大きすぎることで、頭で考えていることや、本人がやろうとしていることがうまく成果に結びつかず、「苦しさ」が生まれている可能性が高いと言われました。

そして、性格検査でも指摘されたような「社会的な規範に当てはめたい」「きちんとやりたい」という性質があることから、処理速度が余計に低くなっていることもわかりました。

息子への誤解とミスリード

たしかに息子は小さい頃から何をやるにしても動作がゆっくりで、時間がかかる子でした。

息子の「処理速度の指標が低い」で思い当たること

・着替えや準備などの日常動作が全体的に遅い

・ノート作りに興味がない(板書ができないわけではない)


・家庭科や図工の作品などが期日までに仕上がらない


・連絡帳をきちんと書いてくることが苦手


・整理整頓が苦手で片付けができない


・プリントや学校の持ち物などをなくしてしまうことが多め

今思えば、検査を受ける前でも、息子のこうした特性や苦しみは気づけたはずです。

ただ、こうした一面だけではなく、パズルやブロックなどの細かい作業をパパッとできたり、学校のテストなどで時間以内にできないということもなかっりということもあり、能力的に処理速度に問題があると考えたことはありませんでした。

一方で、ハチコは、自分自身が割合と適当にパパッと物事をすませてしまう性格なので、息子の「慎重すぎる」「遅い」といった様子を見ると、いつもフラストレーションがたまっていました。

そして、「もっと早くやっちゃいなさい!」「そんなの適当にやればいいでしょ!」という声掛けを毎日のようにして、息子に「物事を要領よく済ませていくこと」を促し続けていたのです。

しかし、処理速度が低い子は「せかされることや時間内に作業を終えることが非常に苦手」であり、息子をせかしていたことはハチコの大きな間違いでした。

まさか、そこに息子の苦しみがあるとは知らずに、とにかく「要領よく生きてほしい」という思いばかりが先行していたハチコ。

どうして、息子に「丁寧にできてえらいね」「ゆっくりやっていいからね」と言ってあげられなかったのか

自分自身が困難にぶちあたっている場面で、「いいから早くやりなさい!」と毎日口癖のようにせかしてくる毒親。

後悔してもしきれない、完全なミスリードだったわけです。

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