【10歳でうつ病・PTSD】息子はいま元気です!

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心の病を患った子どもたちの未来を検索する日々

息子に「いってらっしゃ〜い」と声をかけて、面倒くさそうだけど小さく手を振り返してくれた時に、たまらなく幸せを感じてしまう元・毒親ハチコです。

大げさな話ではなく息子を玄関で見送る時に、「あぁ、ほんとうに元気になったな〜」といまだに涙が出そうになることもあります。

いや、私、ぜんぜん涙もろいタイプではなく、むしろ、かなりドライな方なのですが。

でも、子どもの行き渋りや不登校を経験していたり、子どもが心の病気になったことがある方なら、「朝、子どもが元気に起きて出かける」ということが、どれだけハードルが高くて、なかなか手に届かない目標であるかということを、きっとわかっていただけますよね。

私も息子が10歳で重度のうつ病とストレス障害を発症した時には、こんな未来はとてもじゃないけど、まーーーったく想像できませんでした

毒親であった私の過干渉と中学受験に伴う教育虐待によって、勉強の拒否反応、頭痛や吐き気などの全身の不調、暴力、癇癪のほか、無気力状態や学校への行き渋りなどで、先がまったく見えない、生きているのも辛かった日々。

そんな日々の中で夢見ていたのは、「いつか、息子が本当の意味で元気になったと感じることができたら、どんな形でもいいから、自分たち親子のことを発信したい」ということ。

そう思った大きな理由の一つが

自分が先の見えない地獄にいる時に、ネットでむさぼるように探し求めていたのが「同じような状況に陥ったお子さんの“ハッピーエンド”」だったから

です。

「こころの相談電話」にぶつけた不安

今から9年ほど前、息子が小4の夏。

私は、小学校から配られた「こころの相談カード」を握りしめ、藁にもすがる思いで電話をかけました。

うつ病・PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断された息子の状態は悪くなるばかりで、先の見えない暗闇の中で過ごすような毎日だった時のことです。

息子の対応に追われながら、調べることは調べつくしたけれど、私たち親子を今すぐ助けてくれる人は誰もいないと絶望していたあの頃。

手段はえらばず、息子がよくなるためならなんでもやろうと思っていたので、あまり深くは考えずに、思わず電話をかけていました。

「どうせなにも解決しない」と期待はしてないのに、実際に電話をかけてみると、今の息子の状態を話しはじめると止まらなくなり。

そして、早口で高ぶりながらまくし立てるように話す私に向かって、電話口に出た相談員の女性は、私の心を落ち着かせようと共感したり、なだめすかしたりしてくださったり。

そんな言葉を聞きながら、「もう、そういうのは飽きた“」と落胆して、私は女性に向かって叫びました。

ハチコ

息子と同じようになった子は、みんな将来普通の社会生活に戻れていません!

「あら、そうですか?そんなことはないと思いますけど」

でも私はさらに言います。

ハチコ

引きこもりになったり、犯罪者になっていることもあります!
息子も絶対よくなりません!

でも女性は言います。

「そんなことはわかりませんよ」

そして、私は女性に訴えました。

ハチコ

でも、状況がよくなった人なんて、ネットでいくら探しても見つからないです!

見ず知らずの方に、こんなことを言っていた自分が今は信じられないですが。

ちょっとフツウではないですよね、、。

でも、私は本当に悲しく絶望していたのです。

そして、死にたいぐらいに疲れていたのです。

何かを言ってほしいわけでもないけれど、とにかく何もしないではいられないような日々でした。

いつか自分でハッピーエンドを発信しよう

その時、電話の向こうで、相談員の女性が静かに穏やかにこう言いました。

「よい方向に進んだ方は、わざわざ報告なんてしないものですよ。」

ハチコ

・・・・・・

「そもそも、今は今で一生懸命に生きていらして、良くなったとか成功したとか思っていないかもしれません。そんなものです」

ハチコ

・・・・・・

「だから、あなたがネットでいくら探しても、症状がよくなったという方がなかなか見つからないだけじゃないですか?」

ハチコ

そう、、でしょうか?そうならいいのですけど…

女性があまりに当たり前のことだわ〜という感じのトーンでお話されていたので、強く言われるよりも説得力があって、その時の私は妙に納得して電話を切りました。

なんの変哲もない言葉だったかもしれないですが、その時の私は、なんだか少し救われたような気持ちになったことを、よく覚えています

専門家に難しいことを言われるよりも、ずっと。

そして、その時から「もしも息子の状況が少しでもよい方向に改善したら、どんなかたちでもいいから世の中に伝えたい」と考えるようになりました。

というわけで、

約9年という長い年月がかかってしまいましたが

「大学生」になったというだけで、息子がこれからどんな人生を歩むのか、どんな人間になっていくのかはまだまだわかりませんが

当時と違って、SNSがこれだけ発達している中で、私が発信しなくても、いろいろな形の「ハッピーエンド」はたくさん見つかると思いますが

でも、やっぱりもう一度書きますね!

息子、いま元気です!!

心も体も健康そのもので、大学生活を満喫しています。

しくじりまくった母親でも、毒親だった私でも、反省して学んでいけば、自分自身が変われば、壊れた子供を直していくことができると信じています!

ハチコの「しくじり」ポイント!



「幸福とは、幸福を問題にしない時を言う。 芥川龍之介」

あの時、電話の向こうで私の話を聞いてくださった方は、まさにこの芥川のようなことが言いたかったのかもしれませんね。
本当の「幸福」とは、自分が「幸福」であることにも気がつかずに夢中で過ごしていることではないか。それがこの言葉の真理かと思います。

そもそも、心身が不調になった子供の「ハッピーエンド」にはさまざまな形があって、「学校に行くこと」や「元気に出かけていくこと」に限られるものではないことは、わかっているつもりです。

それでもやっぱり、変わり果てた息子の姿を見ながら、なんとか「明るい未来」が見たくて、ずっとネットの中をさまよっていたあの頃の自分に、今の息子の姿を見せてあげたいな、と思う気持ちもあります。

私たち親子の今が「ハッピーエンド」かはさておき、「こうしておけばよかった…」などのたくさんの後悔と、「こうしてよかった!」というたくさんの事例を、とにかくありのままに書いていくことが、いつかどなたかのお役に立ったらいいな〜と願うばかりです!

ハチコ

きっと、きっと大丈夫です!

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