息子が「うつ病・PTSD」を発症するまでのことはこちら ↓
「ハチコの逆転子育て術」とは?
毒親であった自分自身の過干渉と教育虐待で、息子が重度のストレス障害によるうつ病とPTSDを発症した小学4年生の夏。
登校しぶり・勉強の拒否反応・癇癪やパニック・無気力状態が続き、時には暴力をふるうことも。
このままでは不登校で学校へ行けないどころか、一生ひきこもりになる。
そんな先の見えない絶望の中でゼロから始めた「育て直し」によって、息子は元気になりました!
息子の心と体の健康を取り戻すためにやってきたことの全てを、ありのままに綴ります!
TPOに合わせて臨機応変に|嫌がるようならすぐにひく
「ハチコの逆転子育て術②「親子マッサージ」(前編)」でもふれたように、地獄絵図のようなかたちでスタートした「親子マッサージ」。
ハチコがまさに「奴隷のように」マッサージをしていた頃は、もうそれはそれはここでは書けないようなシチュエーションで息子を揉んだり、さすったりしてあげていました。
いや、でも、隠してもしかたがないので書いておきますと・・・
息子がイライラして食事がすすまない時に、テーブルの下から足を揉んであげたり(そして蹴られたり)
勉強の拒絶反応や宿題が進まなくて癇癪を起こしている最中に、空いている片方の手を揉んであげたり(そして暴れられたり)
ぐったりとして動けなくなっている息子の背中を声を出さずに泣きながら揉んであげたり(そしてやっぱり暴れてしまったり)
と、けっしてひとさまには見せられない、異常な光景でした。
ただ、一応ふつう?の「親子マッサージ」になってからは、
息子がソファやベッドで寝そべっている時にテレビや音楽を流しながらマッサージをしてあげたり
となりに座って何かをしゃべりながら揉んだり
と、平和なシチュエーションでマッサージしてあげることが多かったです。
もちろん、息子が急性期の頃でも、「マッサージをして状況を改善しよう」というような下心を察知されてしまった時や、本人が気が乗らない時などは、マッサージをしようとしても怒り出したり、嫌がったりすることも時々あり、その時はすぐにやめるようにしていました。
ふつうの「親子マッサージ」の時もそうですが、マッサージをしてあげようという親の気持ちよりも、マッサージされる側の子どもの気分や気持ちを最優先して行うことが大切だと思います。
回復と共に少しずつ回数を減らす|終了までは約2年
急性期を脱して、だんだんと息子の症状が改善していく中でも、長く続いていた「親子マッサージ」。
ひとつデメリットをあげるとすれば、息子の急性期を乗りきる武器としてかなりの頻度でマッサージを取り入れていたことで、息子がちょっとした「マッサージの中毒症状」を起こしていたこと。
「マッサージがないと勉強ができない」「マッサージがないと眠れない」みたいにマッサージをされることが常態化してしまっていたので、やめるにやめられず。
かといって、このまま大人になるまでマッサージをし続けるわけにはいかないしと、悩んだりもしました。
ただし、時間が経過するにつれて、「息子にマッサージを強要させられる」とか、「みじめな思いを隠して泣きながら揉んであげる」というようなネガティブなものではなく、徐々に親子の自然なスキンシップといえるようなポジティブ習慣と言えるような状態にはなっていたので、無理にやめる必要もないかなとも考えていました。
育児日記を見てみると、行き渋りが始まってから1年ほど経った5年生の6月ごろから、時々「マッサージをやめる」「揉まなくていい」と言い出したようです。
ただ、「はい、今日からやめましょう」みたいな簡単なことではなかったようで。
結局、マッサージがないことにイライラしたり、文句を言ってきたりでまた再開したり、やめたりということをしばらく繰り返していました。
マッサージをする時間を減らしたり、マッサージをしない日を作ってみたり、オットの寝る前のマッサージも週末だけにしたりと様子を見ながら、意図的に少しずつ回数を減らしていったのです。
そして、5年生の冬から、翌年の春にかけて、やはり息子自身が「もうマッサージをしなくてもい」と何度も言うようになり、6年生になる4月には、勉強の拒否反応や睡眠導入のためのマッサージはまったくやらなくなりました。
急性期にすがるように始めた行動を促すためのマッサージは、実に2年近くの歳月が経過して、ようやく終わりを迎えることになりました。
息子が回復していく様子も、また別の記事で書いていきたいと思っていますが、一朝一夕にはいきません。
マッサージもムリして急にやめる!といった乱暴なことをせず、様子を見ながら徐々に卒業できるようにしたことは正解だったかなと思っています。
思春期以降も精神安定剤に?|大学受験でも効果を発揮!
息子の行動をサポートするために行っていた「親子マッサージ」が終わってからも、息子の様子を見てちょっと疲れているかな?パワーチャージが必要かな?という時には「マッサージしてあげようか?」と聞くようにしていました。
息子は「うん!お願い」ということもあれば、「べつにいい」と断る時もあり、特にマッサージに依存するようなことはなくなりました。
息子が中学生、高校生と成長するにつれて、さすがにマッサージをする回数はずいぶん減りましたが、それでも、時々「揉んでくれ〜」と息子が言ってきた時などには、「あら?疲れているね」と、なんやかんやと他愛のない話をしながら、マッサージをしてあげることも。
受験直前の緊張している時や、勉強がせっぱつまった時には、息子からマッサージのリクエストがあり、マッサージ中には、今の気持ちや本音を吐露してくれることもありましたし、オマケで「ありがとう」と言ってくれることも増えていきました。
一番最近では、大学入試共通テストの直前の時期に、まさに息子が「ん〜〜〜、少し揉んで!お願い!」と言ってきて、「あれだけ勉強サボっていたくせに、今頃になって焦っているのかーい」なんてイジワルな気持ちも少し芽生えましたが、「はーい」とだけ言って、ずいぶんと長くマッサージをしてあげたのを思い出します。
息子は、暗記ものの本を広げながらベッドに寝そべって、私はやはり急性期の頃と同じように「あと少しだからがんばれ!」「応援してるよ!」と言う代わりに、マッサージをする手にエールの気持ちを込めて、黙って音楽やFMを流しながら、気の済むまで揉んであげました。
そのおかげ、という訳ではないと思いますが…
共通テストは、これまでの自己最高点をとり、そのことが、息子が現役で早慶理大などに合格することにつながったのです!(たぶん)
ハチコは本当に「抱きしめる」などのスキンシップが苦手な母親でしたし、今でもそうです。
なので、地獄のような日々の中でたまたま始まったこの「親子マッサージ」という触れあい手段に、大いに助けられてきたのだと、マッサージのことを振り返りながらしみじみ思っています。
手軽なハンドマッサージがオススメ|体はリンパマッサージを活用
息子に対して、ハチコが具体的にどんなマッサージをしていたのか?
一番多かったのはハンドマッサージです。
手のひらをプニプニとよく揉んであげたあとに、1本1本の指を丁寧に揉んであげて、最後に指の付け根の部分から指先にかけて少し強めにつかみながら、スポン!と抜けるようにさすってあげて仕上げるようにしていました。
そのほかにも、足の裏、ふくらはぎ、太もも、背中、肩、頭など、要するに全身ですね。笑
手のひらと手の指、足の裏と足の指に関しては、割合と強めに揉んであげることも多かったですが、そのほかの場所については、叩いたり、揉んだりするというよりも、よく美容師の方がしてくださるような、さするようなマッサージの方が息子には合っているようでした。
また、もともと、昔からハチコ自身がリンパマッサージに興味があって、本や雑誌を購入して自分自身でやっていたこともあり、息子への「親子マッサージ」は、基本的に「リンパマッサージ」「リンパデトックスマッサージ」などと同じ手順でやっていたことが多かったです。
「リンパマッサージ」といっても、難しいものではなく、リンパ節が集中しているところ(鎖骨、脇の下、足の付け根、膝の裏など)の場所を意識しながら、リンパ節に向かってリンパ液を流すようなイメージでマッサージをしていくだけです。
リンパマッサージは、あまり強く圧をかけすぎずに、ほどよい加減でソフトにさするような感じで行うことで効果があがりやすくなりますが、マッサージをやる側としても力を入れすぎない方が長い時間続けやすくなります。
そもそも、子どもは強めのマッサージすると、くすぐったがったり、痛がったりするので、ソフトなマッサージが向いているようです。
マッサージは正解だった!|研究が進む「親子マッサージ」の効果
「ハチコの逆転子育て術②「親子マッサージ」(前編)」の終わりにも触れましたが、現在、「親子」「マッサージ」といったキーワードで検索をしてみると、「親子マッサージ」というワード以外にも「キッズマッサージ」「タッチケア」などに関する記事をたくさん見つけることができます。
残念ながらリンクフリーにされている所が見つからなかったので、具体的なご紹介はできませんが、マッサージ教室や体験講座を実施されている法人や団体もあり、親子マッサージは親と子の絆を深める子育てツールとして、日本国内はもとより、海外にも広まりはじめているようです。
もともとマッサージには、副交感神経を活発にすることによるリラックス効果や自律神経を整える効果もあるほか、別名「しあわせホルモン」とも言われるセロトニンとオトシトシンが分泌されることで、安心感を得られたり、精神的に落ち着くことができると言われています。
それに加えて、親子で行う「親子マッサージ」には、親から子どもへの愛情が伝わりやすくなることで、子どもの自己肯定感を高めたり、子どものやる気や意欲を育むことにもつながることがわかっています。
つまり「息子を大切に思っている」という自分の気持ちを言葉やスキンシップで伝えるのがとても下手なハチコにとって、親子マッサージはうってつけの「愛情表現」だった!というわけです。
もっと早く知っていれば、あんなにうしろめたい気持ちをもったまま続けることもなかったのですが…
もちろん、小さいお子さんだけではなく、中学生、高校生、時には大学生でも、「親子マッサージ」を積極的に取り入れてOKであることも多くの記事に書かれています。
ムリは禁物!ですが、親子関係で悩んでいる時に、もしも自然にお子さんにマッサージができそうなシチュエーションがあれば、試してみる価値は多いにあると思います。